少年カワシュー・Vol27八千代篇 ~裏番の存在~

少年カワシュー

そして、真潮君も一目置く、隣のクラスの、もう
一人のキーパーソン、それは、菅生(すごう)君
でした。
転校当初、てっきり”極悪同盟”の一員と思って
いましたが、彼らとうまくやりながらも、クラス
の統制を効かす存在・・・”潜入捜査員”?いや、
そんな込み入った話ではなく、どうやら”裏番”と
いうポジションのようです。

菅生君は、新任の体育の先生かと、見まがうほど
ガタイがよく、スポーツ刈りでしたが、眉毛が細
ニキビ顔で、詰襟のホックどころか、第一ボタン
まで外して、色物のTシャツが見え隠れする、ヤン
チャな感じでした。
例えて言うと、元広島の前田健太に雰囲気が似て
いましたが「極道中学生/学年制覇」に出演
の、Vシネ俳優のような風貌は、学年の女子はもと
より、特に、接客業のお姉さんたちにモテそうな
タイプでした。
「この商売・・・借金がきれいになったら、やめ
て、田舎に帰って小さなお店を持つつもりよ(あ
んたさえ良ければ一緒にきてよ)」と持ち掛けら
れても(所詮、オレははみ出し者だから、お前を
不幸にするから、一緒にいるのは無理だ、とばか
り)相手とは目を合わさず、うんうんと頷き、水
割りをひと口、更にふたくち・・・グラスを置く
と、ラークに火をつけゆっくりと、煙を吐き出す。
そんな、カラオケの映像の主人公が菅生君です

ある日、”極悪同盟”の内部紛争か、なんだか
分かりませんが、取っ組み合いのけんかをして、
教室の廊下側の窓ガラスを割るような、騒ぎが
ありました。
マーシーこと、真潮君が、収拾にあたろうとして
いましたが、収まる様子がなく、隣のクラスの
カワシューも、かたずをのむような場面に出くわ
しました。

と、その時、現れたのが菅生君でした。
菅生君は、慌てる様子もなく、取っ組み合いの
二人に、向かったと思ったら、間髪入れず、彼
らの尻と脇腹に各々、1発2発、ケリをいれまし
た。当然、当事者もギャラリーも一瞬凍り付き、
彼らの黒光りする”長ラン”と”ボンタン”には
菅生君の上履きの跡がくっきり!
菅生君は、彼らを冷ややかににらみつけ、言葉
をかけることなく、教室に入っていきました。

男気溢れる、菅生君、本当にほれぼれします。
同性からみても胸が熱くなりました。

映画みたいなシーンですが、全て”ノンフィクシ
ョン”です。