少年カワシュー・Vol22/八千代篇~小林先生~

少年カワシュー

”極悪同盟”を擁する隣の3組は、男の先生で、
国語の小林先生が担任でした。
小林先生は、七三分けで、度数が強そうな
黒縁の眼鏡をしていて、団子っ鼻で、髭は
生やしていませんでしたが、眼鏡と鼻
と、髭が、一体化したパーティーグッズの
ように見えました。

ある日の授業で、
「・・・ここんところは、模試なんかで、
”もし”出題されたら、思い出してくださいね。」
なんて、言って、受けようとしていたのですが、
普段から遊びが無く、冗談はあまり言わない、ま
じめな感じで授業を進めていたので、生徒が、
引いていました。
なので、風貌から期待する”笑いをとるセンス”は
なかったようです。

そんな小林先生、風貌とは裏腹に、その体つきと
言ったら・・・ボディビルをやっていたかは定か
ではありませんが、ポロシャツを通してその隆々
たる体がわかるくらいでした。半袖のポロシャツ
の袖、パンパンの腕で、板書をした後、振り返り
ざまに、
「主人公が、思った”それ”とは何のことを指すの
でしょう?」
と、チョークで描いた後、中腰で、上半身だけ
ひねって、生徒の方を向いて、一瞬ポーズをとっ
たかのように見え、その際、”バッキ”とかすかな、
”筋肉音”がしたかのようでした。

決して強面ではないのですが、筋骨隆々の
”小林先生”がマッスル勝負で、例の
”極悪同盟”に睨みを効かし、統率していると思
われました。
しかし、それだけではなかったようです。