世の中には、自分によく似た人が”3人”いると言われて
いますが、大学生の頃、そのうちの”ひとり”との出会い
がありました。
同級生から「似ている!」と言われる前にカワシューは
その存在に気づき、軽い胸騒ぎをおぼえました。
周りのガヤの命名ですが、その名は「シュー子」さん
当時の女子と言えば、ハマトラの影響で、サーファーモ
ドキのサラサラヘアーの女子が多かったのですが、対照
的に、長身(170㎝くらい)でボーイッシュなシュー子は
緩いパーマのショート、いつも小汚いストーンウォッシュ
のジーパンを履いて、中性的な見た目でした。
カワシューはデザイン学部でしたが、シュー子は女子が
多い、テキスタイル学部という、服飾のデザイン志向の
学部でした。
聞いた話によると、どこのコンパにも顔を出す、お調子
者で、いわゆる「お祭りオンナ」だったようです。
カワシューは不覚にも、学食などに出没する、シュー子を
知らず、知らずのうちに眼で追っていました。
いつもニコニコ、回遊して積極的に人と交わろうとする
シュー子に、自分にはないモノを持っていると感じ、いつ
の間にか羨望の眼差しを向けていました。
ところで、名も知らぬ、カワシュー似のシュー子は、友達
には何て呼ばれていたのでしょう?
シュー子にしてみれば、芸能人とかに似ているのなら、
まだしも、他の学部の一介の男子に似ているなんて、不名
誉極まりない状況でしょう。ま、お互い様ですが。
こんなこともありました。
当時、高尾の奥地にあるキャンパスから国鉄・中央線の
高尾まではスクールバスなどなく、西東京バスが一時間に
2本くらいしか、ありませんでした。
そんななか、ある日、5分後のバスを待つカワシューの
後ろにシュー子が来ましが、何気に、校舎に戻っていきま
した。
次のバスは40分後しか来ないというのに、それを逃すと
は、やっぱり、カワシュー同様に気まずかったのかもしれ
ません。
そして、時は流れ卒業式の後、八王子で学部ごとの打ち上
げが終わり、中央線で帰路につく際、横浜線のホームへ向
かうシュー子の後ろ姿がありました。
不覚にも、後ろ姿で彼女がわかってしまうなんて、何とも
言えぬ、”えにし”を感じてしまったのです。
名も知らず、同じ顔で、言葉も交わしたことがない、
シュー子さん、シニアとなった今どうしているのでしょ
う?お孫さんを膝に乗っけて、絵本を読み聞かせている
のかもしれません。
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