少年カワシュー・vol.10/札幌篇 ~アケミ先生~

少年カワシュー

札幌でも転校慣れしているカワシューは、「スキーの授
業のストレス」以外は、楽しく過ごすことができました。
運動神経はどちらかと言うと、”中の中”くらいの感じな
ので、グランドにある斜面をスルスルと滑る同級生をみ
ては羨望やら、ふがいなさやらで、へこんでいたのを覚
えています。身長も1年で5~6cm伸びたり、声がしゃ
がれたり、体の変調もあり、余計に感じやすかったのか
もしれません。

転校先の中学校は、スキー場も近い、手稲東中学校と
いう学校でした。大分の小学校と違ったのは、給食が無
く弁当を持っての日々でした。また、秋も深まると気温
も低くなり、コークスを燃料にしたストーブが焚かれま
す。その日の日直は、朝一番で校内の倉庫に行って、
コークスを運んだり、弁当を温めるための部屋に、
みんなの弁当を運ぶことから一日が始まります。
異郷の地の先生や、クラスメイトは、時として外国人の
様に思えました。
一方、その時の担任は、山崎朱美先生。新卒2年目くら
いの若い女の先生でした。
髪型は前髪、サイド、首筋とも内巻きのマッシュルーム
カット、オレンジのワンピのミニスカートに、コルク底
の高いヒールをはいて、当時の若い女性らしいファッシ
ョンだったのを覚えています。音楽の先生と言うことも
あり、活舌もよく、「声」もアニメ系でかわいらしかっ
たです。で、特にオチがあるわけでもないのですが、
思春期のカワシューは、若い”朱美先生”に一度も、とき
めかなったのです。一度もです。ジャージの二人組風に
言うと、
「思春期のカワシューが、若い”朱美先生”に一度も、と
きめかないのは、なんでだろう??なんでだろう?なん
でだ、なんでだろ~ほ~ほ~ほ~う」
”札幌篇”まだまだ続きます。