少年カワシュー・Vol38高校篇 ~友達とそのオヤジ~

少年カワシュー

ところで、”撃沈”の「卒アルで素敵な出会い
を見つけよう!」のキャンペーンのなかでチョ
イチョイ登場する”H見川のO君”はクラスの
みんなから愛されていました。
実際の会話ではありませんが、例えばの話、
遅刻をした時の言い訳のノリが
「先生!いゃ~びっくりしましたよ、僕の乗っ
ている京成電車に、UFOが墜落して、タコみ
たいな宇宙人が降りてきて、稲毛駅で、止まっ
ちゃったんです。ほんと、びっくりです。」
と、誰が聞いても嘘と分かっているけれど、
先生も
「わかった、わかった(言いたいことはそれ
だけか?)いいから、早く、席につけ」と、
と、こんなような言い訳が許されるのは彼の
特権でした。彼の、人柄を物語っていました。

今どきの流れで詳しいことは書けませんが、
彼のお父さんは、都民の安心安全を守ること
を目的とした官庁にお勤めになっていました。
ある晩、彼の家に電話をした際、お父さんが
出たときのこと。
父「おう、川原か、君は、24時間のうち何
時間勉強して、何時間寝てるんだ?」
と、呼び捨てで、いきなり職質か!?
カ「・・そうすねぇ~、睡眠時間は・・・・」
父「ええぃ!だいたいでいいんだよ、だいたい
で(かなり、出来上がっている)」
カ「睡眠所間は・・・」
父「いや、いや、勉強時間が先だっ!」
カ「50分くらいすかねぇ~」
父「少なくねぇ~か?」
カ「はぁ、すみません」
とか、やりあっているうちに、電話の向こう側
からお母さんの声がし、お父さんに何か言って
いる。「お父さん、早く、〇〇はいないって、
言えばいいだけじゃないの~、」と言ってるか
のようで、その後、
父「〇〇はまだ、帰ってないらしいぞ、おまえ、
〇〇がどこへ行ってる知ってるか?」
カ「(知るわけねぇだろ、なんだよ、いないな
ら先に言えよ)知らないっすね。(こっちが知
りたいよ)」という、やりとり。
そんな、H見川のO君は、地域は違うものの、
お父様同様、某県民の安全安心を主る、官庁に
勤め、カワシュー同様、定年を迎え、お孫さん
たちと、穏やかな日々を過ごしているとのこと
でした。