少年カワシュー・vol.15/札幌篇 ~”ジャンボ” 後編~

少年カワシュー

「お前なんか、羊ヶ丘で食われちまえ!」と暴言。

羊ヶ丘とは、札幌郊外の観光地で、羊が放牧されてい
る牧場で、ジンギスカンが食べられる場所のことで、
羊ヶ丘といえばジンギスカンで、ジンギスカンと言え
ばラム肉の意味で、ふくよか以上の女番長の体型を
食肉に例え揶揄するという”反則技”となってしまいま
した。

そんな、辛辣な発言を受けて、取り巻きのの女子たち
が、猛抗議!「あんた、そこは言い過ぎよ!
ジャンボが傷つくでしょ、謝んなさいよ!」と詰め寄
られ、平謝り。
しかし、この話の中で最もいけないのは、当事者もさ
ることながら、騒ぎ立てる周りの女子だと思っていま
す。”そこは言い過ぎ”とか、”傷つく”などと言う言葉
が飛び出しましたが、彼女たちも、潜在的に、彼女の
ことをジャンボだと思っていて、それを擁護した結果
認めたので、カワシューよりもたちが悪いと思いまし
た。
ある意味、一瞬の言い合いで済んだことが、周りのガヤ
が騒ぎ立てたので、増長してしまったことになったので
す。

でも、当の”ジャンボ”とは、それを機に仲良くなり、
のちに転校で去る際には、「知らないところで受験だけ
ど、頑張んなきゃだめだよ。いやなことは、いやだっ
て、言うんだよ。したら、都会の子たちに、う~んと、
スキーを教えてやんな」と、
またもカワシューの痛いところでもある、優柔不断さを
指摘しながらも、ワンワン泣いてくれました。まるで、
母親が息子を見送るように。
幸いにも、少年カワシューは涙が眼鏡にたまって
ジャンボの顔は見えませんでした。
この記事を執筆中も涙ぐんでしまいました。
”ジャンボ”今どこで、どうしているのかな?