少年カワシュー・vol.6/大分篇 ~ポジティブ転校生~

少年カワシュー

大分の家は、市内と言いながら市街地から少し外れた、
田んぼが広がるのどかな場所に建つ平屋建の家でした。
田園地帯ゆえに、季節によってはカエルの大合唱が始ま
り当初は困惑しましたがそのうち慣れて、心地よさすら
感じたのを覚えています。
5年生になった少年カワシューは、転校生の性で、友達
が早くほしいという気持ちが強く、誰にでも好かれるよ
うに、ニコニコ、人の輪の中に積極的に入っていきまし
た。かけっこは早いほうで運動会ではちょっと目立って
いたかもしれません。しかし、体操とか球技はからっき
しダメでしたが、放課後のソフトボールには必ず参加し
ていたものの、三振、内野ゴロ、ダブルプレーと、チー
ムの足を引っ張る、厄介ものでした。でも、「アポロが
月に行けたんだもの、明日はもっといい日になるさ、内
野ゴロでも、全力疾走で行こう!」」と、人生の中で一
番ポジティブな時期だったかもしれません。
但し、そこに多少のストレスがあったかもしれません。
時代的には、「札幌五輪」「横井さん帰還」「よど号ハ
イジャック事件」「あさま山荘事件」があったりした時
代で、特に後者の「あさま山荘事件」の警官隊突入時の
ライブ放送は、国民の2人に1人がテレビにかじりつ
き、戦況を見守ることとなり、ウチのオフクロもせんべ
い片手に、テレビにくぎ付けでしたっけ。