フォトブック ~写真を取りまく環境~

フォトブック

写真をプリントする、しない、のどちらがノーマルな状
態かは別として、フィルム世代の私から見た、この
「いびつな構造」の顕著な例が、消費の火付け役である
ことが多い、若者たちの行動にもみられます。

例えば、ある女子大生は、以前から行ってみたいと思っ
ていた人気のカフェで、フルーツたっぷりのスィーツを
食べたとしましょう。念願かなって大満足。その記念に
スマホでパチリ、ちょっと見栄えを良くするためにアプ
リで加工、せっかくだからインスタに投稿、
「いいね!」がたくさんもらえたうえに、ネット上で新
しい出会いもあり、更に大満足で完結。

スィーツの写真はスマホに保存されているし、アルバム
機能で何度も見返すことができる。また、インスタのサ
イトを開けば「いいね!」の数も確認できるので、スマ
ホの画面がプリントの代わりとなるため、ストーリーと
しては完結してしまうのです。

それ以上のプロセスとしてプリントするとかアルバムに
残す、と言うようなことは必要性を感じないという意識
を持つ人が増えてきているとすれば、減少傾向の一つの
要因として頷ける気がします。

写真同様、オフィスでもかつてに比べれば「紙の書類」
は劇的とは言えないが、確かに減っているように感じま
す。また電子書籍の出現で「本」も新たな時代に突入し
た感はあるが、紙媒体の減少は更に続くのかを考えてみ
たいと思います。