ハムカツがスキです。子供の頃のハムと言えば、このハム
カツに使われる、赤いふちの、四角いハムでした。このハ
ム、プレスハムと言うのだそうですが、食肉を成型する際
に切り落とされた肉を寄せ集めてできる別名「寄せハム」
とも言われていたそうです。
ハムカツを食べる時は、薄い薄い、ハムと衣をサク、サク
っとひとくち、ふたくち、あっという間に食べてしまうの
でハムをよく見るなんてしませんでしたが、ハム単体で食
卓にあがったとき見たら、なるほど、肉の小片が寄せられ
固めらたというのが、わかります。層になっていると言う
のじゃないのですが、出所の違う者たちが、体を寄せ合っ
ているな、と言うのがわかります。う~ん、うまく言えな
い。それが、ハムカツのプレスハム。
プレスハムの歴史は昭和の初期にはじまるそうです。満州
事変が勃発すると、軍需向けの毛皮のためウサギの飼育が
盛んとなり、プレスハムはその副産物として発生するウサ
ギ肉を利用した製品として誕生したとのことです。
確かに、ウサギ肉でできたハムと母から聞いていました。
ハムカツ。おかずというのもありなのですが、カワシュー
的には、どちらかというと、おやつです。中食っていうや
つね。
食べるシチュエーションは、食卓ではなく、肉屋や総菜屋
の店先で、立ち食い。ハフハフ言いながら食べるのがいい
のです。コロッケもいいけどカワシューはハムカツ派でし
た。
最近は、プレスハムとは滅多に出会わないのですが、近隣
の産直店の冷蔵庫に、オレンジ色のフイルムに包まれたプ
レスハムの四角い塊に遭遇したことがありました。
そんな、ハムカツとは疎遠ですが、懐かしのハムカツと唯
一会うことができるのが、コンビニのサンドイッチ売場で
す。その一角に息をひそめていたのが、マヨとソースまみ
れなのでカリカリ、サクサクは味わえないのですが、この
ハムカツサンドがカワシューが言う、原型に近いものと言
えます。
最近は、進化して”ぶ厚いハム”を使ったハムカツ、チー
ズも一緒に挟んだハムカツも巷にはあるようです。千切り
キャベツトマトを添えて、今夜の食卓のひと品になり、す
っかり、垢ぬけちゃって、これは、これで、よしだと思い
ます。が、しかし、カワシューはどちらかと言うと、ハム
も衣も薄薄の、今で言う、スナック菓子のポジションの、
彼らの先祖にあたるハムカツが、好きなんだな。