我 街
千葉に移り住み、50年近くの年月が経過しました。
思えば1975年(昭和50年)に、当時40代後半だ
った両親は希望に胸を膨らませ、人生後半を過ごす定住
の場所として千葉の海浜ニュータウンを選びました。
当時、高校生になったばかりの私はそんな両親の思いを
知っていたのか、定かではありませんが「もう転校する
ことはないんだな」と安堵していたと記憶しています。
私が住む地域は、首都圏のベットタウンとして造成され
た東京湾に面した埋め立て地です。
現在の京葉線は、まだ高架線のみができている状態で、
その高架線という建造物が、陽が傾く頃には空き地の中
にシルエットとなって映る光景が印象的でこれから電車
が通るなどと言うことはなかなか想像ができませんでし
た。
しかし、今では私が住む町と隣接する幕張副都心は高層
ビル群、イベント会場、ホテル群、野球場を擁し、首都
圏経済の一端を担う町として成熟するにとどまらず、シ
ョッピングモールができ、更には京葉線の新習志野、海
浜幕張の間に新駅、幕張豊砂駅が開業し、その進化には
目を見張るものがあり近隣住民の私はその進化に少し追
いつけないと言うのが正直な感想です。
家族の歴史を考える ~プロローグ~
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