降機フェチ ~やはり、変な奴です~

カワシューのひとりごと

またもや自身の性癖について、カミングアウト
します。
それは、飛行機が着陸後、ボーディング・ブリ
ッジに接続され、乗客が降りる際の、ある光景
に胸がキュンとなることです。
小さなエアバス320、ボーイング737など
は、客席が左右に3席ずつで、通路は一本しか
ありません。
そこに、いち早く降りようと、乗客が集中しま
す。通路側の人は、まあ、流れに乗れば後ろか
ら来る人の好意で入れてもらえる可能性があり
ます。しかし、真ん中の人は、そうスムーズに
はいきません。ただし、通路側の人が通路に出
られたら詰めてチャンスをうかがうことができ、
まだ、ましです。
ところが、一番奥、窓際の人は至難の業です。
子供さんか、小柄な人なら何とか立つことがで
きますが、頭上にある手荷物棚が迫って、立つ
ことができません。
そんな、イライラする人もいることを見越して
ANAの場合、機内には穏やかで、ゆったりし
た曲「Anothersky」が流れています。

通路に出たいが、出れない。しかし少しでも
早く出たいがために、頭上の手荷物棚で、立つ
ことすらできないのに頭を傾け、何とか立とう
とする。そんな状態でも前へ進みたい。
傾いた顔の表情は歪んでいる。歪んでおらずと
も心中穏やかな状態ではないと思います。
自分も降機の態勢に入らななきゃいけないのに
頭を傾けた人を見ている場合じゃないんですが
「ああ、あの人には、飛行機からいち早く降り
て、会いたい人がいる。どうしても行かなきゃ
いけない用事があるのかもしれない」
そのためには、頭上の手荷物棚のつかえなんて
大した問題ではない。
誰よりも会いたい人に、会うために、行かなき
ゃいけない場所に向かうため、懸命に通路に出
ようと奮闘している。
そんな「一途さ」「健気さを」を目の当たりに
すると、目頭と胸が熱くなります。
「降機フェチ」やはり、変な奴でした。