あの人を知っていますか? ~小川哲哉アナの魅力~

カワシューのひとりごと

かつてTBSに”小川哲哉”というアナウンサーがいまし
た。1972年にはフリーになって、最近では声を聴くこ
ともなく、現在の活動は確認できませんが、今年、83歳
でいらっしゃるとのことです。
「決定!全日本歌謡選抜」「速報!JRN歌謡ベストテン」
「パックインミュージック」のラジオ番組を中心に「日本
レコード大賞」のサブ司会を務めるなど実力派のアナウン
サーです。
後輩には久米宏、小島一慶、林美雄などがいました。

声はバリトン、どこかタイとかベトナムの東南アジアの香
りのする、風貌でした。
この小川哲哉アナ、妙に馴れ馴れしく、クセが強かったの
ですが、僕は嫌いじゃなかったです。
「ハ~イ、アグネス」とか「ヒデキ、元気だった?」と
いう調子。
アナウンサーではないけれど、現代で言えばクリームシチ
ューの上田晋也が、その系譜を引き継いでいます。

昔のラジオの歌謡曲を扱う番組では、新人アイドルが営業
で行っている先を、中継で結ぶ場面が多々ありました。
ある日、デビューしたての浅野ゆう子が、地方のスーパー
で営業しているのを中継で結んでの一幕。

小川「中継繋がってます。は~い、ゆうこ、今どこにいる
の?」
と、親戚の姪っ子に接するかのように、呼び捨て。しかも
どこから中継するのかも既に知っているはずなのに、しら
じらしい・・・

浅野「小川さん、初めまして、今、ダイエーの北春日部店
さんに、お邪魔しています。」

小川「あっ、そう。ところでさ、ゆうこはさ、好きな食べ
物とかあるのかな~?」

新人なので、番組のエンディングで、デビュー曲のワンコ
ーラスだけを、紹介することになっているので、この時点
で、時間が押している。

浅野「はい。お好み焼きと、いちごが大好きで~す」

小川「あっそう。(上の空)それでは、いってみよ~」

既にイントロが流れ出しているので、浅野ゆう子の好物の
リアクションなど、ぶっ飛ばし、かぶせるように

小川「4月にデビューしたての、キャッチフレーズは、
『ジャンプする(溜め溜で)カモシカ』。
14歳の浅野ゆ子が 歌う、曲はぁ~~~(巻が入ってい
るのに、溜めて、溜めて)「飛び出せ!~初(溜め)恋」
ゆうこ~ありがとうね~ 今度はスタジオにも遊びに来て
くれるかなぁ~~」
と社交辞令の早口で、まくしたてる。
中継なので、歌とカラオケの音質は悪くボロが出ないうち
に、あっという間に終わってしまう。

そんな、馴れ馴れしい小川哲哉と、昭和の番組が好きなカ
ワシューでした。