小林美樹さんを知っていますか?(以下敬称略)
1973年(昭和48年)スター誕生の決戦大会で優勝し
芸能界入り。翌年7月夏、作詞:阿久悠、 作曲:都倉俊一の
ゴールデンコンビによる作品 「人魚の夏」でデビュー。
まずは、デビュー当時、歌も振りも少々かたいのを聞いて
みてください。
美白美白と白さを競う今どきに対して、当時は褐色の肌が
トレンドの時代、デビュー当時の小林美樹も褐色の肌を武
器に”夏娘”として売り出しました。
また、ボーイッシュなショートヘヤ―と、ガリガリではな
い見た目はクラスにいそうな親しみやすいキャ ラクター
でした。何より小林美樹と言う名前、
「ミキちゃん~、一緒に帰ろ~」なんて 呼びやすく、
身近に居たような、気になります。
肝心のデビュー曲「人魚の夏」の歌詞はというと・・
自転車を走らせて 灯台をまわり
ぎらぎらの砂浜を 私は駆けて行く
麦わら帽子を投げ捨てて
真白なドレス脱ぎ捨てて
私は人魚に変わって行く
真夏の人魚に変わって行く
※誰かに見られたら 突然見られたら
どうしたらいいのでしょう
どうしよう どうしよう※
(2番)舟をこぎ沖に出て 居眠りをしたら
ひりひりと肌をやく 太陽うえにある
制服姿は忘れたわ 子供の感じ忘れたわ
恋する人魚が 泳ぐように
裸の人魚が 泳ぐように
※同様
—
自転車、灯台、ぎらぎらの砂浜、麦わら帽子のどれをとっ
ても「日本の夏」を連想します。 決してまばゆい
「サマー」でもなく煌めく「ビーチ」でもないんです。
独特の日本の風景を織りなす海岸線、漁村、テトラポット
潮の香りを連想するどこか懐かしい「絵日記」的な
「日本の夏八景」と言え「人魚の夏」の世界観を表してい
ると言えます。
ズンチャ、ズンチャ、と小気味よいメロディーに乗せて
よく陽に灼けた、元気いっぱいの少女が、自転車をこぎ砂
浜まで息を切らしてやって来る映像は、
ポカリスエットか、カルピスウォーター、はたまたシーブ
リーズのCMを思わず思い描いてしまいます。
(後編に続く)


