カワシューのひとりごと Vol 40 ~ 人魚の夏・前編~

カワシューのひとりごと

小林美樹さんを知っていますか?(以下敬称略)
1973年(昭和48年)スター誕生の決戦大会で優勝し
芸能界入り。翌年7月夏、作詞:阿久悠、 作曲:都倉俊一の
ゴールデンコンビによる作品 「人魚の夏」でデビュー。
まずは、デビュー当時、歌も振りも少々かたいのを聞いて
みてください。

美白美白と白さを競う今どきに対して、当時は褐色の肌が
トレンドの時代、デビュー当時の小林美樹も褐色の肌を武
器に”夏娘”として売り出しました。
また、ボーイッシュなショートヘヤ―と、ガリガリではな
い見た目はクラスにいそうな親しみやすいキャ ラクター
でした。何より小林美樹と言う名前、
「ミキちゃん~、一緒に帰ろ~」なんて 呼びやすく、
身近に居たような、気になります。
肝心のデビュー曲「人魚の夏」の歌詞はというと・・

自転車を走らせて 灯台をまわり
ぎらぎらの砂浜を 私は駆けて行く
麦わら帽子を投げ捨てて
真白なドレス脱ぎ捨てて
私は人魚に変わって行く
真夏の人魚に変わって行く

※誰かに見られたら 突然見られたら
どうしたらいいのでしょう
どうしよう どうしよう※

(2番)舟をこぎ沖に出て 居眠りをしたら

ひりひりと肌をやく 太陽うえにある
制服姿は忘れたわ 子供の感じ忘れたわ
恋する人魚が 泳ぐように
裸の人魚が 泳ぐように
※同様

自転車、灯台、ぎらぎらの砂浜、麦わら帽子のどれをとっ
ても「日本の夏」を連想します。 決してまばゆい
「サマー」でもなく煌めく「ビーチ」でもないんです。

独特の日本の風景を織りなす海岸線、漁村、テトラポット
潮の香りを連想するどこか懐かしい「絵日記」的な
「日本の夏八景」と言え「人魚の夏」の世界観を表してい
ると言えます。
ズンチャ、ズンチャ、と小気味よいメロディーに乗せて
よく陽に灼けた、元気いっぱいの少女が、自転車をこぎ砂
浜まで息を切らしてやって来る映像は、
ポカリスエットか、カルピスウォーター、はたまたシーブ
リーズのCMを思わず思い描いてしまいます。
(後編に続く)